CQラボWEBサイトをリニューアル 異文化に橋をかけるリアル体験
2023年秋、 CQラボWEBサイトをリニューアルしました。
CQラボWEBサイトは、数年前にイギリス在住のデザイナーTai-li Lee氏がクリエイティブパートナーとして制作していただいたものでした。しかし、日本で暮らす私たちには伝わりづらい箇所も多く、これからCQを日本でさらに広めていくために、リニューアルに踏み切ることにしたのです。
プロジェクト憲章
CQラボの目的は、CQの考え方を日本で広げ、人や組織に橋をかけられる人を増やすことです。
そのために、リニューアルプロジェクトの目的として、「CQラボの存在意義をWEBサイトのTOPページで伝わるかたちにすること」と定めました。
以前のWEBサイトには「違いに橋をかけ、違いをパワーにする」という想いを掲載していたものの、抽象度が高く「CQとは何か」「どのように違いに橋をかけていくのか」が伝わりづらいものでした。
抽象的にビジョンを伝えるだけでなく、実際にどのような活動を行っているかを伝えたいというのが、日本のメンバーの考えでした。
日本とイギリスの文化次元の違い
リニューアルプロジェクトを進めるなかで、日本とイギリスの文化次元が異なることにより、いくつかの壁にぶつかりました。
そして、その壁を乗り越えるうちに、相手の文化を理解することの意義を改めて感じました。
①個人主義・集団主義
プロジェクトを始動し、Tai-li Lee氏に修正の希望を伝えたところで、まず最初の壁にぶつかりました。
日本側は、修正の希望を伝えれば、すぐに了承して直してくれるものだと思っていました。しかし実際は、どのような理由でそのデザインになっているのかが返ってくるため、日本側は再度検討するプロセスが必要となったのです。
これを、日本のメンバーは当初「Tai-li Lee氏は修正希望に対してマイナスの意向をもっている」と捉えてしまっていました。
しかし、これは6次元モデル「個人主義・集団主義」の違いによるものだと、後に宮森と話すなかで気づきました。
イギリスでは、「あうんの呼吸」「文脈を読む」ということがないので、合理的な説明が必要なのです。
ですから、修正希望に対する意見があっても、こちらが修正したい理由をきちんと伝えれば取り組んでもらえることがわかりました。
②不確実性の回避・許容
さらに、具体的に修正希望を出すなかで、すべてがわかりやすく掲載されていることを期待する日本のメンバーに対して、Tai-li Lee氏はメッセージ性やデザイン性を重視していることもわかりました。
例えば、日本のメンバーは、掲載しているすべての項目を一覧のように表示したいと考えていました。一方、Tai-li Lee氏は、デザイン性が損なわれない範囲で重要ないくつかが表示されていればよいという考えをもっていました。
また、文字の色や大きさについても、意見が異なりました。
日本のメンバーは背景との色の組み合わせや大きさなどとにかく見やすいことを重視する一方、Tai-li Lee氏はCQラボのイメージに合ったデザインであることを重視していました。
日本とイギリスの、色に対するセンスの違いなどもあったと思います。
結果的に、日本語で書かれている日本人のためのWEBサイトであることから、日本のメンバーの意見が採用されましたが、そこへたどり着くまでに何度も議論を重ねる必要がありました。
違いに橋をかけ、違いをパワーにする
私たちはCQラボを通じて、「違いに橋をかけ、違いをパワーにする」ためにCQの概念を多くの人に伝えていきたいと考えています。
そのような考えをもっている私たちでも、実際に異なる文化背景の人と仕事をするなかでいくつもの壁がありました。
宮森の助言によって、異文化への理解を進めてプロジェクトを達成でき、異文化理解を実体験として得られたと思っています。
出来上がったWEBサイトは、日本らしく内容が網羅されている一方で、イギリスのセンスも採り入れられたものとなっているのではないでしょうか。
Tai-li Lee氏はTOPページのアニメーションについて以下のように話しています。
文化的背景が異なっても、CQを理解するTai-li Lee氏と私たちだからこそ実現できたことがあると思っています。
これからも、継続的にWEBサイトをアップデートしていく予定ですので、ぜひご覧いただけますと幸いです。
そして、CQをより多くの人に知っていただき、異文化理解が進んでいくことが、私たちの願いです。
一般社団法人CQラボは、ホフステードCWQの日本オフィシャルパートナーとして、カルチャーに関してトータルな学びを提供しています。CQ®(Cultural Intelligence)とは…「様々な文化的背景の中で、効果的に協働し成果を出す力」のこと。CQは21世紀を生き抜く本質的なスキルです。Googleやスターバックス、コカコーラ、米軍、ハーバード大学、英国のNHS(国民保険サービス)など、世界のトップ企業や政府/教育機関がCQ研修を取り入れ、活用されています。
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