ホフステード6次元モデル「権力格差」とは<6次元モデル②>

ホフステードの6次元モデルの1つめとして、権力格差についてご説明します。
国境を超えたビジネスでは、権力格差の影響を過小評価せず、各国のスコアに合わせてリーダーシップのスタイルや仕事の依頼方法を変えていく必要があります。

権力格差とは、権力の低い人が階層と平等のどちらを重視するか

権力格差とは、「この世は不平等」という現実をどう扱うかです。
富や権力、能力などのパワーは不平等であり、人間は皆それを知っています。
その現実にどう向き合うかは、国によって異なります。

ホフステード博士は、それを以下のように定義しました。

権力格差とは、それぞれの国の精度た組織において、権力の弱い成員が、権力が平等に分布している状態をよきし、受け入れている程度

権力格差は、権力の低い人の価値に基づいています。
階層と平等どちらを重視するのか、親と子、先生と生徒、上司と部下など、自分より権力がある人との関係を、権力の低い人がどう受け止めるのかを評価しています。

 

権力格差の小さい(参加志向)国の特徴

・人々の間の不平等は最小限にすべきであり、人は皆平等な権利を持つべき
・親は子どもを、子どもは親を平等な存在として扱う
・教師は生徒を、生徒は教師を平等な存在として扱う
・教師は生徒が自発的にふるまうことを期待している
・学習の質は、教師と学生との間のコミュニケーションと、生徒の優秀さによって決まる
・患者は医者を平等な存在として扱っており、積極的に情報を提供する

権力格差の小さい国でビジネスを行うときには、リーダーの周りをやる気にさせる影響力が鍵となります。

 

権力格差の大きい(階層志向)国の特徴

・人々の間に不平等があることは予測されているし、望まれている
・親は子どもに従順さを教える。親や年長者に対して経緯を払うことは一生にわたって続く
・生徒は教師に経緯を払う
・教師は教室で全主導権をとることが期待されている
・学習の質は、教師の優秀さによって決まる
・患者は医者を目上の人として扱っており、診療は短く、医者が主導権をとる

権力格差の大きい国では、権力の不平等は当然のこととして受け入れられており、ビジネスでは、リーダーは畏怖の念を使いこなすことが成功の鍵となります。

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権力格差は中間、ミドル層が鍵を握る日本

日本のスコアは54と、世界のなかで中間です。

日本で知識創造を動かす鍵は、ミドル=中間管理職にあります。
トップとボトムに生じる矛盾を、絶えずタテ・ヨコに動いて解消する役割があるからです。

トップのビジョンを解釈して部下に伝え、ボトムの感覚をトップに提言することが求められます。
さらに、外的要因を考慮し、組織の課題解決や目標達成のシナリオを描き、実践に移すことまで期待されます。

ホフステードの6次元モデルについてもっと詳しく知りたい方は、『多文化世界 違いを学び未来への道を探る [原書第3版]G.ホフステード/G.J.ホフステード/M.ミンコフ 著 岩井八郎/岩井紀子 翻訳、『経営戦略としての異文化適応力 ホフステードの6次元モデル実践的活用法』宮森千嘉子/宮林隆吉 著 をご覧ください。

一般社団法人CQラボは、ホフステードCWQの日本オフィシャルパートナーとして、カルチャーに関してトータルな学びを提供しています。CQ®(Cultural Intelligence)とは…「様々な文化的背景の中で、効果的に協働し成果を出す力」のこと。CQは21世紀を生き抜く本質的なスキルです。Googleやスターバックス、コカコーラ、米軍、ハーバード大学、英国のNHS(​​​​国民保険サービス)など、世界のトップ企業や政府/教育機関がCQ研修を取り入れ、活用されています。

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