ホフステード氏の業績を継承し、将来に活かすための知的拠点「Friends of Hofstede」参加レポート①
2023年10月にオランダで開催された、ホフステード氏の業績を継承し、将来に活かすための知的拠点「Friends of Hofstede」に宮森が参加しました。
オランダ、英国、ドイツ、ノルウェー、米国、メキシコ、ブラジル、シンガポール、インド、中国、インド、そして日本から参加者が集まり、宮森は4年ぶりの参加となりました。
ここで得た宮森の学びと感想を2回に分けてご紹介します。
少しでもよい世界をつくることが、6次元モデル開発の源泉
ホフステード先生が旅立たれてから対面では初めての集まりで、先生がなぜこのモデルを開発したのかについて話し合う時間から、会議が始まりました。
ホフステード先生は第二次世界大戦の影響を受け深く考え、世界が再びそのような苦しみを経験しないために、また少しでも良い世界を作るために、自分に何ができるのかを若い頃から考えていました。
これがモデル開発の源泉(ソース)です。
1980年に出版された書籍の冒頭の言葉、私もワークショップで必ず紹介する言葉「人類の存続は、異なる考えを持つ人々が協力して行動する能力にかかっている」は、先生の源からから生まれています。
文化は「地位」と「権力」を調整するツール
新たに提示された視点は、文化が「地位」と「権力」を調整するツールであるというものです。
権力と地位はグループの中でしか生まれません。「地位」と「権力」の理論は古代ギリシャの哲学以前から存在します。
人間社会関係における行動は権力と地位が相互に影響し合い、そこに感情が生まれるのです。「地位(ステータス)」は達成の次元に、「権力」(パワー)は権力格差の次元に直接関係します。
権力を持つ者はしばしば地位を望むものの、必ずしもグループから尊敬と賞賛を受けるわけではありません。
地位を持たない権力者は、自己中心的な行動をとり、グループ内の地位保持者を揺るがすことがあります。ここのグループダイナミクスの理解に個人主義、不確実性の回避、時間志向、人生の楽しみ方が関わってきます。
米国の社会学者Theodore Kemperの理論とホフステードモデルを組み合わせた視点で、まだ私も消化しきていませんが、文化が私たち人間に与える影響を考える上では非常に示唆があり、今後深めていきます。
一般社団法人CQラボは、ホフステードCWQの日本オフィシャルパートナーとして、カルチャーに関してトータルな学びを提供しています。CQ®(Cultural Intelligence)とは…「様々な文化的背景の中で、効果的に協働し成果を出す力」のこと。CQは21世紀を生き抜く本質的なスキルです。Googleやスターバックス、コカコーラ、米軍、ハーバード大学、英国のNHS(国民保険サービス)など、世界のトップ企業や政府/教育機関がCQ研修を取り入れ、活用されています。
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