達成志向・生活の質志向の例 ミシュランで評価の高い日本人シェフ<6次元モデル⑩>
これまで、ホフステード6次元モデルについて説明してきました。
各次元スコアの違いによって、どのようなことが起こるのか、事例を紹介していきます。
達成志向(男性性)・生活の質志向(女性性)とは、競争社会のなかで、家族や友人など大事な人と一緒にいる時間を大切にするか、それとも成功することや地位を得ることを大切にするかを表すものです。
次元の詳細はこちらをご覧ください。
ミシュランで評価の高い日本人シェフ
毎年2月に発表されるミシュランガイド。星を獲得したレストランは、東京は世界一を獲得しています。
日本人シェフのレストランは、なぜこれほど高い評価を得ているのでしょうか。四季の恵み、食材、うまみなどいろいろな理由が挙げられていますが、「1つの道を極めるまで努力を続ける」という日本特有の国民文化の影響もみられます。
『経営戦略としての異文化適応力 ホフステードの6次元モデル実践的活用法』
宮森千嘉子/宮林隆吉 著
ホフステード6次元モデルから見る、達成志向・生活の質志向
ペンシルバニア大学の心理学者アンジェラ・リー・ダックワース氏は、成功を収める人たちがもつ共通点を「Grit:やり抜く力」とし、物事に対する情熱と、継続的な粘り強い努力を通じて目標を達成する力にあるとしました。
日本は、世界でも際立って、物事に対する情熱をもって道を極める傾向が強い国民文化をもっています。
達成志向が高い社会は、目標に向かって努力し、達成する人を称賛します。仕事は人生にとって重要なもので、目標達成のためにはハードワークを厭いません。ときには家庭生活を犠牲にすることもあります。
特に日本は、自らに課した目標に向かって道を極めていく特徴が顕著です。
一方、生活の質志向の社会では、仕事は生きるために必要な手段と認識されます。互いに助け合い交流する機会に恵まれること、家族と過ごす時間をとれるようフレキシブルに時間を調整できることが仕事へのモチベーションとなります。
ホフステードの6次元モデルについてもっと詳しく知りたい方は、『多文化世界 違いを学び未来への道を探る [原書第3版]』G.ホフステード/G.J.ホフステード/M.ミンコフ 著 岩井八郎/岩井紀子 翻訳、『経営戦略としての異文化適応力 ホフステードの6次元モデル実践的活用法』宮森千嘉子/宮林隆吉 著 をご覧ください。
一般社団法人CQラボは、ホフステードCWQの日本オフィシャルパートナーとして、カルチャーに関してトータルな学びを提供しています。CQ®(Cultural Intelligence)とは…「様々な文化的背景の中で、効果的に協働し成果を出す力」のこと。CQは21世紀を生き抜く本質的なスキルです。Googleやスターバックス、コカコーラ、米軍、ハーバード大学、英国のNHS(国民保険サービス)など、世界のトップ企業や政府/教育機関がCQ研修を取り入れ、活用されています。
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